教室の概要

東北大学天文学教室は、90年を超える歴史を受け継ぎながら、理論・観測・装置開発を通じて宇宙の多様な階層に挑む、天文学研究・教育の拠点です。

テイデ天文台で星空を見上げる若手研究者と学生
Young researchers, including students, looking up at the night sky at Teide Observatory, Tenerife. Those pictured include T. Tanaka, Y. Sueno, and S. Honda. The Hattori Lab at the Astronomical Institute contributed to a CMB polarization telescope project at the observatory.
理念

優れた資質と高い意欲をもつ人材が、自律的かつ自由な発想のもとで研究に取り組める環境を育みます。

歴史

天文学専攻は、1934年に物理学教室の一講座として開設されました。その後、二講座による学部・大学院教育を担う天文学教室として発展し、1994年の大学院重点化に伴って、学部では宇宙地球物理学科(天文学コース)、大学院では理学研究科天文学専攻として現在の教育研究体制が整えられました。


現在は、学生数を上回る多様な専門分野の教員が、天文学・宇宙物理学の幅広い領域をカバーしています。学部から大学院まで、基礎から最先端研究へとつながる総合的な教育・研究指導を行っています。

教育活動

学部教育では、天文学の基盤として物理学を重視しています。物理系学科と共通する基礎的な物理学を学んだうえで、天文学・宇宙物理学の専門教育へと進みます。講義に加えて、セミナー、演習、実習を通じて、観測・実験データや理論的な考察に触れ、自然現象の本質を読み解く力を養います。4年次には、各研究室で特定のテーマに取り組む少人数の実習を行い、研究の進め方を実践的に学びます。こうした教育を通じて、自然科学全般にわたる広い視野と、柔軟な発想に基づく専門的な知識・思考力の修得を目指しています。


大学院では、天文学・宇宙物理学の研究者、あるいは天文学で培った知識と技術を幅広い分野で活かす専門人材の育成を目指しています。理論・観測・装置開発にまたがる多様な研究スタイルと、バランスの取れた教員構成により、学生の幅広い関心に応える教育研究環境を整えています。博士前期課程では、講義とセミナーを中心に、天文学の基礎から専門的な研究手法までを体系的に学びます。各種セミナーでは、研究成果の発表や討論を通じて、科学的な議論の進め方、成果の伝え方、研究を深めるための姿勢を身につけます。


教育・進路 ↗

研究活動

理論、観測、装置開発を通じて、宇宙のさまざまな階層にわたる研究を展開しています。理論研究では、宇宙の大規模構造、銀河・銀河団の形成と進化、恒星の構造と進化、突発天体や高エネルギー天体、極限状態における物理現象などを対象に、解析的手法から大規模数値シミュレーションまで、幅広いアプローチを用いています。観測研究では、国立天文台、宇宙科学研究所をはじめとする研究機関が運用する世界最先端の地上・宇宙望遠鏡や設備を活用してデータを取得し、宇宙で起こる多様な物理現象の理解を進めています。研究対象は、惑星系、恒星、星間物質、銀河、活動銀河核、銀河団、宇宙論にいたるまで多岐にわたります。また、観測装置の開発にも積極的に取り組んでいます。新しい観測手法や装置を自ら生み出すことで、これまで見えなかった宇宙の姿を捉え、国際的な研究の発展に貢献しています。


メンバーと研究分野 ↗

天文学教室の歩み
1907
東北帝国大学の創立
1920
地球物理学講座の設置
1934
天文学講座の設置。松隈健彦 教授、一柳壽一 助教授。「天文学教室(Astronomical Institute)」の始まり。
1945
戦災で建物・図書・機材が消失
1958
天文学専攻の設置(二講座)
1992
四講座体制へ拡張
1994
大学院大学理学研究科天文学専攻として再発足(12人の教員体制)
2011
東日本大震災
2015
理学部合同C棟への移転
2024
国際卓越研究大学の第一号に認定
望遠鏡ドーム

移転前の物理系研究棟屋上にあった望遠鏡ドーム