ppI に ppII と ppIII を加えたとき、各原子核の数密度の時間変化を表す式を考える。
の関しては、ppI の場合に加え
の反応より
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(39) |
となる。以下同様に考えると、 については変化が無いので
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(40) |
となる。
は
の反応より
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(41) |
となる。
は
、
また
の反応に於いて、
の反応が極めて短く、壱秒程度なので、
実質的に
なる反応と同様であることから
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(42) |
となる。
は
の反応より
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(43) |
となる。
は
の反応より
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(44) |
となる。ここで は電子の数密度である。
ppI の場合と同様にして、適当な近似のもとで解くことを考える。
まず、deuterium が直ちに平衡に達するとして
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(45) |
とする。
また、
や
は と反応してすぐに壊れるので、
やはり容易に平衡に達するとして
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(46) |
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(47) |
が成り立つとする。
更に
も十分速く平衡に達するとして
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(48) |
とする。このとき(39)は
となる。同様に(42)は
となる。
ppI によるヘリウムの生成効率とppII と ppIII によるヘリウム生成の効率との比は
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(52) |
で与えられる。
さて、 pp 連鎖核融合反応に於けるエネルギーの生成率は、形式的に
と書ける。
はニュートリノによるエネルギー損失を表す。
今の場合、平衡状態に達している核反応の反応率について次の様な関係式が成り立っている。
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(54) |
(54)を用いるとエネルギーの生成率は、
と書けることから、
であることが分かる。
ここで
であるとすれば、(55)は更に
と書けることが分かる。
pp 連鎖反応に於いて、
どの過程がどのくらいの割合でエネルギーを発生させているかは、
反応の起こっている領域の温度や組成に依存する。
fat-cat
平成17年1月10日