3 連鎖反応

生まれたばかりの星がその中心で最初行う核融合反応は、 水素をヘリウムに変換する(連鎖)核反応で、 普通 pp-chain と CNO cycle の二系列の連鎖反応が重要であるとされている。 pp-chain では三つの系列が重要とされ、 それぞれ ppI、ppII、そして ppIII とすれば、 ppI の連鎖反応は

$\displaystyle {\rm H(p,\beta^+ \nu)D(p,\gamma)He^3(He^3,2p)He^4}$ (19)

と書け、 ppII の連鎖反応は

$\displaystyle {\rm H(p,\beta^+ \nu)D(p,\gamma)He^3(\alpha,\gamma)Be^7(e^-,\nu)Li^7(p,\alpha)He^4}$ (20)

と書け、 ppIII の連鎖反応は

$\displaystyle {\rm H(p,\beta^+ \nu)D(p,\gamma)He^3(\alpha,\gamma)Be^7(p,\gamma)B^8(\beta^+ \nu)Be^8(\alpha)He^4}$ (21)

と書くことができる。 ここで $ {\rm p=H,\alpha=He^4,\gamma=photon ,D=deuterium}$ であり、 $ {\rm Be^7(e^-,\nu)}$ は電子捕獲を、 $ {\rm B^8(\beta^+\nu)Be^8}$$ {\rm B^8}$(中の陽子)の $ {\rm\beta^+}$ 崩壊 $ {\rm B^8 \to Be^8 +e^+ +\nu\quad(p\to n+ e^+ +\nu)}$ を表し、 $ {\rm Be^8(\alpha)He^4}$ $ {\rm Be^8 \to 2 He^4}$ の意味である。 以下では、粒子の数密度をその原子記号をそのまま使って表すことにする。



Subsections
fat-cat 平成17年1月10日