Gibbs 因子を用いて、ある量子状態
を粒子が占める平均粒子数
を求める。
は
と書くことができるので、フェルミ粒子の場合条件
より
であるから結局、
![$\displaystyle \bar{n}_F\left(\epsilon_j\right) = \frac{\exp\left[-\beta\left(\e...
...\epsilon_j-\mu\right)\right]} =\frac{1}{e^{\beta\left(\epsilon_j-\mu\right)}+1}$](Ideal_gas-img67.png) |
(10) |
となる。同様にボーズ粒子の場合
であるから、
とすると
であるから
となり、結局
![$\displaystyle \bar{n}_B\left(\epsilon_j\right) = \frac{\exp\left[-\beta\left(\e...
...\epsilon_j-\mu\right)\right]} =\frac{1}{e^{\beta\left(\epsilon_j-\mu\right)}-1}$](Ideal_gas-img72.png) |
(11) |
が得られる。
これを使えば、系に含まれる粒子数の平均値
は、(1) に対応して
 |
(12) |
で与えられ、系のエネルギーの平均値は、(4) に対応して
 |
(13) |
で与えられることになる。
ここでは量子状態が離散的であると考えている。
さて、量子力学によれば、自由粒子の場合、
位相空間中の微小体積
に含まれる状態数は
 |
(14) |
で与えられる。
ここで
は Planck 定数 であり、
は内部自由度などに起因する統計的重み、または縮退度である。
これを使えば、量子状態
の分布が十分稠密であるとして(従って、離散的量子状態を連続的であるとして良いとして)、
(12)や(13) の和を積分で置き換えることができる。
以下では、エネルギー
を持つ状態を占める平均粒子数を Fermi 粒子の場合
 |
(15) |
と書くことにする。
ここで、パラメータ
は化学ポテンシャル
と
で関係している。
(15) は、相対論的な自由粒子のエネルギー
の代わりに
で定義される
を使えば
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(16) |
と書くこともできる。
ここで、非相対論の極限で
となるから、
は静止エネルギーを差し引いた粒子の運動エネルギーと解釈できる。
また、
であり、
とすれば、
であるから、
は静止エネルギーを除いた化学ポテンシャルと考えることができる。
要するに、
を用いても
を用いても、
は同じ形に書ける。
運動量が
と
との間にある粒子の数密度
は
であるから
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(17) |
で定義される。
一般に化学ポテンシャル
は、粒子数密度
と温度を与えれば形式的には(2) から
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(18) |
を
について解いて、粒子数密度
と温度
の関数として求められる。
fat-cat
平成16年11月28日