観測者の系を
とし、
それに対して
軸方向に速度
で運動している電子の静止系を
とする。
電子の静止系で見たときの光子の入射方向と散乱方向とをそれぞれ
とする。散乱前の電子と光子について四元運動量をそれぞれ、
と
と書き、
散乱後のについては、
と
と書くことにする。
コンプトン散乱のときと同様に考えると、
であるから、Eq.(18)より
となり、結局逆コンプトン散乱の式として次式を得る。
![$\displaystyle \vepsilon_f' = \frac{ \vepsilon'}{ 1+ \dfrac{\vepsilon'}{mc^2} \left(1-\cos\Theta\right)}$](Compton-img105.png) |
(23) |
ここで
は
である。
上式より
であるから
であることが分かる。
とすればEq.(23) は
![$\displaystyle \vepsilon'_f \cong \vepsilon'\left[ 1- \frac{\vepsilon'}{mc^2}\left(1-\cos\Theta\right)\right]$](Compton-img111.png) |
(24) |
と書ける。従って
であれば
であるから、
電子の静止系で見たとき散乱の前後で光子のエネルギーに大きな変化はないことが分かる。
fat-cat
平成16年11月29日