3 定常状態にある降着円盤

定常状態にある降着円盤の性質を考える。 降着円盤が定常状態にあるとして、 $ {\partial}/{\partial t} = 0$ とする。 このとき、質量保存の式(4) から円盤物質の降着率 $ \dot{M}$

$\displaystyle \dot{M} \equiv 2 \pi r \Sigma (-v_r)$ (12)

で定義できれば、質量降着率は一定であると考えることができる。 このとき角運動量保存の式(9) は

$\displaystyle ($左辺$\displaystyle )=\frac{\partial}{\partial r} \left( \Sigma r^3 \Omega v_r\right) = - \frac{\partial}{\partial r} \left( \frac{\dot{M}}{2\pi} \Omega(r) r^2\right)$    

であるから、これを元に式(9)の両辺を円盤の内側の境界 $ r_\mathrm{in}$ から外側に積分すると

$\displaystyle \int_{r_\mathrm{in}}^{r} dr'($左辺$\displaystyle ) =-\int_{r_\mathrm{in}}^{r} \frac{\partial}{\partial r'} \left( ...
...hrm{in}}^2\right) =-\frac{\dot{M}}{2\pi}\sqrt{GM} (r^{1/2}-r_\mathrm{in}^{1/2})$    

$\displaystyle \int_{r_\mathrm{in}}^{r} dr'($右辺$\displaystyle ) =\int_{r_\mathrm{in}}^{r} \frac{\partial}{\partial r'} \left( \...
..._{r_\mathrm{in}} \right) =\nu \Sigma \sqrt{GM} \left(-\frac{3}{2}\right)r^{1/2}$    

であるからこれを $ \nu \Sigma$ について整理すると

$\displaystyle \nu \Sigma = \frac{\dot{M}}{3 \pi } \left(1-\sqrt{\frac{r_\mathrm{in}}{r}}\right)$ (13)

となる。ここでは内側で

$\displaystyle \frac{\partial \Omega}{\partial r}\Bigg\vert _{r_\mathrm{in}}=0$ (14)

とし、また $ \Omega=\Omega_k$ としている。



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fat-cat 平成17年1月9日