計量テンソル は二階の共変テンソルであるから (36) より
であり、また (29) を用いると
となる。また に関しても、これは二階の反変テンソルであるから (35) より
であるから結局、計量テンソルが反変微分に対して以下のように定数として振る舞うことが分かる。
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(37) |
スカラー関数の勾配 (gradient)
の共変成分と反変成分とはそれぞれ
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(38) |
で定義される。
ベクトル の発散(divergence)は、
これがスカラー関数(値が座標系に依らない)になるように定義する。
従って、(共変成分は反変成分に直してから)ベクトルの反変成分について共変微分を行い
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(39) |
と定義する。実際、(24) で とすれば
であり、
が座標系に依存せず同じ値を持つスカラーであることが分かる。
同様にして、例えば、
二次のテンソル量の発散
は
がベクトル(一階のテンソル)として振る舞うように定義すればよい。
従って、その反変成分について共変微分を行い
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(40) |
などと定義すればよい。
一般に、ベクトルやテンソルの成分を含む等式を考えるとき、
等式の両辺は座標変換に対して同じように変換されなければならない。
従って、
例えば、
となっている必要があり、
などは等式として適当ではないと考える。
fat-cat
平成16年11月29日