発散を求めるときに現れる
に関しては、
便利な公式が知られている。
例えば、正則な行列
とその逆行列
を考える。
行列
の行列式を
と書くことにする。
また行列
の要素
に対する余因子(cofactor) を
と書くとすれば、
行列
の逆行列
の要素
が
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(54) |
で与えられることが知られている。
ここで、余因子は行列
からその
行
列を取り除いた小行列
を使って
で定義される。
であるから、
として
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(55) |
を得る。
ここで
については和をとらない。
定義より
に要素
は含まれないので
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(56) |
が得られる。
これを使えば
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(57) |
従って
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(58) |
が得られる。
ここで
は行列
の対角成分の和を表す。
は
であるから、零以外の値をとるには
でなければならないので、これを踏まえると (58) を用いて
となることが分かる。
ここで
である。
これから
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(60) |
を得る。同様に
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(61) |
を得るが、これを展開すると
であるから、(43) で計算したものと一致していることが分かる。
fat-cat
平成16年11月29日