二粒子の衝突を相対論的に考える。
その静止質量を と とし、
四元運動量を
と
とする。
必要なときは衝突の後と前を bar を付けて
などとし、
区別する。
ある慣性系で観測したときの二粒子の全四元運動量は、
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(86) |
と書くことができる。
この四元運動量自信の縮約を取れば、
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(87) |
と書くことがで、
これは任意の慣性系で同じ値を持つ。
非相対論的な場合と同様に質量中心(center of mass、または、zero-momentum、center of momentum)座標系 CM 系を、
を満たす慣性系と取る。
二粒子の四元運動量が
と
であるような慣性座標系から、
二粒子の CM 系 へ移すローレンツ変換
を考えると、
より、
であるから、
と書ける。このとき、
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(88) |
とすると、
上式は
となる。
Eq.(88) は非相対論的極限で非相対論的な質量中心の定義に一致している。
この CM 系では、
が成り立つ。
ここで CM 系から見た運動エネルギーを
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(89) |
で定義すれば、
任意の慣性系で、
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(90) |
が成り立つことになる。
非相対論的極限で CM 系では、
であるから、
と書ける。 これを元に非相対論的運動エネルギーを求めると、
となるが、
とすると、
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(91) |
を得る。
ある慣性系で見たとき、
衝突の前後で四元運動量は保存されるとすると、
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(92) |
が成り立つ。
このとき衝突の前後でEq.(88) で定義される CM 系は、この量が変化しないことが分かる。
エネルギー成分の保存則はその慣性系では次式で与えられる。
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(93) |
ある慣性系で見たエネルギー保存則(93) の非相対論的極限を考えると、
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(94) |
であるから、
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(95) |
となる。
また CM 系で見たエネルギー保存則
の非相対論的極限は、Eq.(91),Eq.(95) を参考にすると以下のようになる。
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(96) |
fat-cat
平成16年11月28日