以下ではローレンツ不変量を導くことを考える。
粒子の集団を考え、
ある瞬間に粒子が、
位置及び運動量がある値を中心とした小さいな幅を持つ領域を占めているとする。
粒子集団と共に運動する慣性系を とすれば、
この系から見たとき粒子集団が位相空間で占める体積は
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(97) |
で与えられ、
その粒子集団を外から観測する慣性系 から見れば
を占めるものとする。
慣性系 系から見たとき粒子集団の占めるエネルギー領域の幅は、
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(98) |
であるが、
なので は
の二次の量となり、
一次の微少量については
としてよいことが分かる。
従って
となる。
これから
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(99) |
が得られる。
また、慣性系 から見れば粒子の分布領域は 軸方向に収縮を受けるので、
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(100) |
であるから、結局
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(101) |
を得、
位相体積素はローレンツ不変量であることが分かる。
を位相体積素
中に含まれる粒子の数であるとすれば、
粒子数 は座標系に依らず一定で、
ローレンツ不変量であるから
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(102) |
もローレンツ不変量である。
は単位位相体積当たりの粒子数である。
また、
粒子の静止系 での四元運動量は
で与えられ、
慣性系 では
であるから、
が得られ、
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(103) |
もローレンツ不変量であることが分かる。
以下ではこの議論が光子気体についても成り立つとする。
ある容器に閉じこめられた光子気体を考えて、
光子気体の単位振動数単位立体角当たりの数密度を と書けば、
光子については
などとして、
と書いて、
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(104) |
を得る。
は微小立体角である。
光子気体の単位振動数単位立体角当たりのエネルギー密度
と輻射強度
は、
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(105) |
で与えられるので、
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(106) |
がローレンツ不変量であることが分かる。
この光子気体について
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(107) |
もやはりローレンツ不変量である。
fat-cat
平成16年11月28日