連星系中の星はもう一方の星の重力場により変形を受ける。
この問題は、
例えば、
月の重力場により地球上の海面が変形を受け、
地球の自転に伴って潮の満ち引きが起こるのと同じ問題である。
今、
星
の重力により引き起こされる星
の変形を計算することを考える。
星
が静水圧平衡にあるから
![$\displaystyle {\bf\nabla} p = -\rho {\bf\nabla}\Phi$](Roche-img103.png) |
(17) |
が成り立つとする。
ここで、
であり、
は星
の自己重力ポテンシャルであり、
星
の密度分布とポワッソンの式により
![$\displaystyle {\bf\nabla}^2 \Phi_1 = 4\pi G \rho$](Roche-img106.png) |
(18) |
で結びついている。
は星
の自己重力ポテンシャルであり
![$\displaystyle \Phi_2 =-\frac{GM_2}{\left\vert{\bf r}-{\bf a}\right\vert}$](Roche-img108.png) |
(19) |
で与えられる。
ここで座標原点は星
の中心にとってあり、
は星
内の点の位置ベクトルであり、
は星
の位置ベクトルである。
このポテンシャルは
として展開すれば
![$\displaystyle \Phi_2 = -\frac{GM_2}{a} \left[ 1+\frac{r}{a} P_1(\cos\theta) +\frac{r^2}{a^2} P_2(\cos\theta)+\dots \right]$](Roche-img111.png) |
(20) |
が得られる。
ここで
はルジャンドル多項式であり、
は
と
と成す角度である。
低次のルジャンドル関数は以下の通りである。
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平成16年11月30日