陰公式で最も扱いやすいのは
としたときで、
(8) は
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(11) |
と書き換えることができ、
(9)と(10)は
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(12) |
と書けるので、
時刻
での
が
から
まで与えられたとすれば、
(12)の両辺に大きな行列
の逆行列を掛けてやれば、
時刻
での
が求められることになる。
ここで、境界条件(4) は
、
として表している。
大きな行列の逆行列を求めるのは一般には必ずしも容易ではないし、
行列
の様に帯対角成分以外は零であるような行列をそのままひっくり返すのは、
経済的にも余り良い方法であるとは言えない。
ここでは行列
が三重対角行列となっているので、
漸化式(11)を用いて解くことを考える。
(11)は形式的に
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(13) |
と書ける。ここで
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(14) |
であり、
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(15) |
とした。
(13)に於いて、
と
とした二つの式を使って
を消去すれば、
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(16) |
となり、または
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(17) |
を得る。ここで
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(18) |
である。これと、(13)の
とした式とを使って今度は
を消去すれば
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(19) |
を得る。ここで
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(20) |
である。同様の操作を繰り返せば
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(21) |
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(22) |
を得る。これを
まで繰り返せば
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(23) |
となるが、これと(13)で
とした式
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(24) |
とを連立させて解けば、
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(25) |
を得る。
このように求められた
と漸化式(21)とを使えば、
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(26) |
より、
から
までの
を求めることができる。
fat-cat
平成16年11月30日