2 周期関数を含まない場合

デルタ関数として周期関数を含まない、

$\displaystyle \varphi _n(x)=\sqrt{\frac{n}{\pi}} \, \exp\left(-nx^2\right), \quad n\in {\bf N}$ (14)

について考える。 $ x=0$での値は

$\displaystyle \varphi _n(0) = \sqrt{\frac{n}{\pi}}$ (15)

で、 $ n\to\infty$と共に単調に増加し、無限大になる。 また$ x\ne 0$ではその値は指数関数的に急激に小さくなることから、この関数の値はほとんど$ x=0$付近にあることが分かる。 更に全領域で積分すると(付録B「ガウス積分公式」のEq.(23)を参照)、

$\displaystyle \int_{-\infty}^{+\infty} \varphi _n(x)dx = \sqrt{\frac{n}{\pi}} \...
...y} \exp\left(-nx^2\right)dx = \sqrt{\frac{n}{\pi}}\cdot \sqrt{\frac{\pi}{n}} =1$ (16)

となる。

以上からEq.(14)の関数は $ n\to\infty$の極限でデルタ関数の全ての性質を再現するので、

$\displaystyle \delta(x) = \lim_{n\to \infty} \sqrt{\frac{n}{\pi}}\,\exp\left(-nx^2\right) , \quad n\in {\bf N}$ (17)

とすることができる。

fat-cat 平成17年2月18日