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2-3

温度 $ k_BT = 10\,\left[\text{keV}\right]$、電子個数密度 $ n_e=10^{-3}\,[{\rm {cm}^{-3}}]$の電子プラズマが、半径 $ 1\,[{\rm Mpc}]=3\times 10^{24}\,[{\rm cm}]$の球内に一様に分布している天体を考える。 この天体が観測者から距離 $ 100\,[{\rm Mpc}]$離れた所に存在するとする。この時この天体から熱制動放射により放射される $ 1\,[{\rm keV}]$以上のエネルギーを持った光子を観測する。 $ 1\,[{\rm cm^{2}}]$当たり、 単位時間当たりに観測者に到達する $ 1\,[{\rm keV}]$以上の光子の数を求めよ。但し電子の速度分布で平均化したガウンとファクターを$ 1$とし、 $ \int_{0.1}^{\infty}x^{-1}e^{-x}dx=1.82$を用いよ。

2-3解答

$ \epsilon_\nu^{\text{\it {ff}}}$ $ \left(\text{光子一個のエネルギー}\right)\times \left(\text{分布関数}\right)$の様なものなので、光子の数を求めるには、$ h\nu$で割ればいいことになる。 問題では $ h\nu\geq 1\,[{\rm keV}]$の光子の数を聞いているので、この領域で積分を実行すると、 $ n_e=10^{-3}\,[{\rm cm^{-3}}],k_B T=10\,[{\rm keV}],V=4\pi\left(1\,[{\rm Mpc}]\right)^3/3$を代入して

$\displaystyle L$ $\displaystyle =\di{N}{t} = \int \frac{dW}{d\nu dVdt}\frac{d\nu}{h\nu}dV =\frac{...
...t(3.0856775807\times 10^{24}\right)^3 \times \int_{0.1}^{\infty} x^{-1}e^{-x}dx$    
  $\displaystyle =2.14684 \times 10^{53}\,[{\rm sec^{-1}}]$ (13)

を得る。ここでは

$\displaystyle \int_{0.1}^\infty x^{-1} e^{-x}dx = 1.82
$

を、また $ \bar{g}_{\text{{\it {ff}}}}\approx 1$とした。 この天体を $ d=100\,[{\rm Mpc}]$の距離から観測するので、観測者が観測する単位面積、単位時間当たりの $ h\nu\geq 1\,[{\rm keV}]$以上のエネルギーを持つ光子の数は、 $ L=4\pi d^2 I$より、

$\displaystyle I$ $\displaystyle =\frac{dN}{dtdS} = \frac{L}{4\pi d^2}$    
  $\displaystyle =\frac{ 2.14684 \times 10^{53} }{ 4\pi \left(100\times 10^6 \cdot...
...right)^2} =0.179427\,[{\rm cm^{-2}\,sec^{-1}}] =0.18\,[{\rm cm^{-2}\,sec^{-1}}]$ (14)

となる。

著者: 茅根裕司 chinone_at_astr.tohoku.ac.jp