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1-2

時間間隔Eq.(1)は観測者にとっては

$\displaystyle \Delta t^0 \sim \Delta t \left( 1-\frac{v}{c}\right) \sim \left( \gamma^2 \omega_{{\rm ce}}\right)^{-1}$ (2)

となることを示せ。但し$ v$は電子の速度、 $ \gamma\gg 1$の為放射コーンが観測者の視線方向に入っている間は、電子の速度はほぼ視線方向と平行であるとせよ。

1-2解答

電磁波は有限の時間をかけて空間を伝播するので、電磁波の放射間隔とそれを観測する観測者の時間間隔との間には、差がでてくる。 図より点1を通過した電子は、点2に到達するまでに

$\displaystyle \Delta S = r\Delta \theta = \frac{2r}{\gamma}=\frac{2 v}{\omega_{\rm ce}}
$

だけ移動するので、点1で放射された電磁波は、点2で放射される電磁波に比べ、観測者に届くまでに $ \Delta S/c$だけよけいに時間がかかることになる。 この分だけ$ \Delta t$に比べて時間間隔が短くなるので、観測者にとっての時間間隔を $ \Delta t^0$とすると

$\displaystyle \Delta t^0 \sim
\Delta t -\frac{\Delta S}{c}
= \frac{2}{\omega_{...
...ega_{\rm ce}} \frac{1}{2\gamma^2}
= \left(\gamma^2 \omega_{\rm ce}\right)^{-1}
$

となる。

著者: 茅根裕司 chinone_at_astr.tohoku.ac.jp