Subsections

5-1

RC回路のコンデンサーの両端に $ v(t)= v_0 \delta(t)$というパルス電圧をかけた。 コンデンサーの両端の電圧の時間発展を表す微分方程式をたて、 それを変数変化法を用いて解き、時間変化を求めよ。

5-1解答

回路に $ V_{\rm in}=v(t)=v_0\delta(t)$の入力があり、 電圧降下はコンデンサーと抵抗に於いて$ V_C,V_R$であるから、

$\displaystyle +V_C+V_R =v(t)
$

と書ける。以後$ V_C=V(t)$と書き、上の方程式を$ V(t)$について解く。 $ q(t)=CV(t),\, V_R = I(t) R$より、微分方程式は

$\displaystyle \frac{dV(t)}{dt}+\frac{1}{RC} V(t) =\frac{v_0}{RC}\delta(t)$ (21)

となる。 この同次方程式の解はすぐ求まり

$\displaystyle V(t)=A e^{-{t}/{(RC)}}\, ;\quad A=\mathrm{Const}
$

である。以後$ RC=\tau$とし、これを時定数と呼ぶ。

非同次方程式の解は定数変化法 $ A \to A(t)$を用いて求める。 代入すると

$\displaystyle \dot{A}(t) =\frac{v_0}{\tau} \delta(t) e^{{t}/{\tau}}
\quad
\Lon...
...\frac{v_0}{\tau} \theta(t) +C\, ;\qquad \theta(t):階段関数,\,C=\mathrm{Const}
$

となる。コンデンサーは最初帯電していなかったと考えると$ C=0$であるから、結局求める電圧の時間変化は

$\displaystyle V(t)= \frac{v_0}{\tau}\theta(t) \, e^{-{t}/{\tau}}$ (22)

となる。

著者: 茅根裕司 chinone_at_astr.tohoku.ac.jp