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8-4

一様磁場中の相対論的電子は角振動数

$\displaystyle \omega_B = \frac{\omega_{{\rm ce}}}{\gamma_e}$ (46)

の円運動をすることを示せ。電子の磁場に平行な速度成分は零とした。

8-4解答

電子の磁場に平行な速度成分が零の場合、非相対論的電子の運動方程式は

$\displaystyle m_e \di{\vu}{t} = -\frac{e}{c} \vu\times \vB
$

である。この時電子の運動は、磁場に垂直な面内での円運動であり $ \omega_B=eB/(m_e c)=\omega_{{\rm ce}}$となる。

この運動が相対論的な場合を考える。Eq.(43)より、

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$\displaystyle \dI{t}\left(\gamma_e m_e c^2\right)
=m_e c^2 \di{\gamma}{t}
=0,
\quad
\therefore\,
\gamma_e = {\rm const}
$

であるから、相対論的な場合の運動方程式は、

$\displaystyle m_e \di{\vu}{t} = -\frac{e}{c} \gamma_e^{-1} \vu \times \vB
$

となる。右辺に $ \gamma_e^{-1}={{\rm const}}$がかかっている以外、非相対論的な場合と一致するので、この時の電子の運動も、磁場に垂直な面内ので円運動となり、 $ \omega_{B}=\omega_{{\rm ce}}/\gamma_e$となることが分かる。

著者: 茅根裕司 chinone_at_astr.tohoku.ac.jp