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4-2

4-1の結果からLorentz力により粒子はz方向にも僅かに運動し出すことが分かる。 以下ではこの運動が非常にゆっくりであり、 粒子は原点近辺に居ると近似しても良いとし、 常に粒子の位置は$ z=0$として扱う。

運動方程式の$ z$成分を解き、 粒子の速度のz成分を時間の関数として求めよ。

4-2解答

Eq.(18)を時間$ t$で積分すると

$\displaystyle v_z(t)$ $\displaystyle =\frac{dz}{dt} = \int dt\, \frac{q^2 E_0^2}{2m^2 \omega c} \sin \, 2\omega t =-\frac{q^2 E_0^2}{4m^2 \omega^2 c} \cos \, 2\omega t +B,\quad B\colon$積分定数    

であるが、初期条件 $ v_z(0)=0$ より

$\displaystyle B=\frac{q^2 E_0^2}{4m^2 \omega^2 c}
$

と求まるので

$\displaystyle v_z(t)=\frac{dz}{dt} =\frac{q^2 E_0^2}{4m^2 \omega^2 c} \left[ 1-\cos\,2\omega t \right]$ (19)

となる。

著者: 茅根裕司 chinone_at_astr.tohoku.ac.jp