1 方程式

重力加速度$ g$が動経方向$ \ve_r$の負の方向に働いており、 密度、圧力が動経方向正の向きに向かって減少している様な平衡状態を考える。 流体の方程式は連続の式、運動方程式

$\displaystyle \del{\rho}{t} + \nabla \cdot (\rho \vv) = 0$ (23)

$\displaystyle \rho\left[ \del{\vv}{t} + \left( \vv\cdot \nabla\right)\vv\right] = -\nabla p -g \rho \ve_r$ (24)

と書くことができる。ある場所で平衡状態にある物理量について添え字を零、 平衡状態からの摂動を添え字壱を使って表すと、

$\displaystyle p(\vr)=p_0(r) + p_1(\vr),\quad \rho(\vr)=\rho_0(r) + \rho_1(\vr),\quad \vv(\vr)=\vv_0(r) + \vv_1(\vr) = \vv_1(\vr)$ (25)

このように、場所を固定して平衡点からの差をとったものをEulerian perturbationsという。 Eq.(25)をEq.(23),(24)に代入し、 摂動の二次以上の項を無視すると、

$\displaystyle \del{\rho_1}{t}+\nabla \cdot (\rho_0 \vv_1)=0$ (26)

$\displaystyle \rho_0\del{\vv_1}{t}=-\nabla p_1 -g\rho_1 \ve_r$ (27)

が得られる。

摂動による平衡点からのずれを

$\displaystyle {\boldsymbol \xi}= \vr -\vr_0$ (28)

と書く。 今断熱摂動を仮定すると、Eulerian perturbationに対する断熱関係は

$\displaystyle p_1^2 -c_s^2\rho_1 =\xi_r \left( c_s^2 \di{\rho_0}{r} -\di{p_0}{r}\right) \qquad c_s$:音速 (29)

と書けるが、摂動によって生じる速度場$ \vv_1$

$\displaystyle \vv_1 = \di{{\boldsymbol \xi}}{t}$ (30)

で与えられることを考えると、 Eq.(26),(27),(29)より与えられた平衡状態に対して摂動量を解くことができる。

fat-cat 平成17年2月26日