2 Minkowski 空間

四次元時空の近接した二つの事象間の距離が、 二つの慣性座標系 $ O$ $ \overline{O}$ に於いて

$\displaystyle ds^2 =dx^\alpha dx_\alpha = \eta_{\alpha \beta}  dx^\alpha dx^{\beta} = \bar{\eta}_{\alpha\beta} d\bar{x}^\alpha d\bar{x}^\beta$ (1)

で与えられたとする。 ここで、 平坦な空間について、 計量テンソル $ \eta_{\alpha \beta}$ $ \bar{\eta}_{\alpha \beta}$ は、 座標 $ x^i$$ \bar{x}^i$ をデカルト座標にとるとき

$\displaystyle \eta_{\alpha \beta }= \bar{\eta}_{\alpha \beta} = \begin{pmatrix}-1 & 0 & 0 & 0   0 & 1 & 0& 0   0 & 0 & 1 & 0   0 & 0 & 0 & 1 \end{pmatrix}$ (2)

で与えられるものとし(Minkowski 空間)、 また同じ添え字が上下対に現れた場合は、 ギリシャ文字は 0 から 3 まで、 アルファベットに関しては 1 から 3 までの和をとる(縮約)ものとする(縮約を行わない場合でもこの規則に従うものとする)。

光子の弐点間の伝播

$\displaystyle P = \left(x_P^0,x_P^1,x_P^2,x_P^3 \right)
=\left( \bar{x}_P^0, \b...
..._Q^3 \right)
=\left( \bar{x}_Q^0, \bar{x}_Q^1, \bar{x}_Q^2 ,\bar{x}_Q^3\right)
$

を考えれば、 光の速度は両慣性座標系で同じであるから

$\displaystyle \eta_{\alpha \beta} \left(x_Q^\alpha -x_P^\alpha\right) \left(x_Q...
...lpha -\bar{x}_P^\alpha\right) \left(\bar{x}_Q^\beta -\bar{x}_P^\beta\right)
=0
$

なる関係が成立している。 これは光の運動に関しては--光の運動だけが-- $ ds^2=0$ が成り立つことを示している。

fat-cat 平成16年11月28日