次に行列要素
を求める。今の場合
は原子核のクーロンポテンシャルだけであるから、
となるが、この場合、積分
は発散してしまう。
そこで、原子核の周りの電子雲による遮断の効果を考え、遮断長 を用いて、
なる因子をポテンシャルに掛けて、
とする。これにより積分は発散しないことになる。
以上を踏まえて積分を計算すると、
として
を得る。
運動量の変化の絶対値 は波数の変化の絶対値 を用いて
と書ける。
今原子核と粒子の衝突を考えており、
また波数の逆数は長さの次元を持つことから、
であることが分かる。
一方遮断は原子核のまわりの電子による効果であるから、遮断長 は原子の大きさ程度であると考えられる。
原子の大きさは原子核の大きさに比べて 倍程度も大きいので、
となる。よって最終的に行列要素
は、
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となる。
著者: 茅根裕司 chinone_at_astr.tohoku.ac.jp