4 Wien Displacement Law の導出

Eq.(1) で強度が最大になるときの周波数 $ \nu_{\rm peak}$ を考えると、

$\displaystyle \del{B_\nu}{\nu}\bigg\vert _{\nu=\nu_{\rm peak}} =0
$

が成り立つ。 今、 $ x=(h\nu)/(kT)$ とおいて

$\displaystyle B_\nu(T) \propto \frac{x^3}{e^x -1} = f(x)$    

として、 $ f(x)$ が最大となる $ x$ の値を求めることを考える。

$\displaystyle f'(x)= \frac{3x^2}{e^x-1}-\frac{x^3 e^x}{(e^x-1)^2},\quad \hbox{従って、} \quad g(x)=3(e^x -1) -xe^x$    

などとして、 関数 $ g(x)$ の零点 $ g(x)=0$ を数値的に求めると、

$\displaystyle x = 2.82143\cdots
$

となるので、 $ \nu_{\rm peak}$

$\displaystyle h \nu_{\rm peak} = 2.82 kT \quad\hbox{or}\quad \nu_{\rm peak} = 5.88 \times 10^{10} T \quad{\rm Hz}$ (3)

となる。 同様に、

$\displaystyle \del{B_\lambda}{\lambda}\bigg\vert _{\lambda=\lambda_{\rm peak}} = 0
$

を考えると $ y= (hc)/({\lambda kT})$ とおいて、

$\displaystyle B_\lambda(T) \propto \frac{y^5}{e^y-1} = F(y)
$

として、 $ F(y)$ が最大となる $ y$ の値を求める。

$\displaystyle F'(y)= \frac{5y^4}{e^y-1} -\frac{y^5 e^y}{\left(e^y-1\right)^2},\quad \hbox{従って、} \quad G(y)=5(e^y -1) -ye^y$    

より、 $ G(y)=0$ を数値的に解くと、

$\displaystyle y= 4.96511\cdots
$

であるから、

$\displaystyle \lambda_{\rm peak} = \frac{0.290}{T}\quad{\rm cm}$ (4)

となる。 Eq.(3),Eq.(4) を Wien Displacement Law という。

fat-cat 平成16年11月27日