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5-1

ガスの塊に視線方向と直交する方向から光が当たった結果の電子のThomson散乱光を観測することを考える。 入射光の強度分布が図左右にに示した様な場合、観測される散乱光の偏光分布を答えよ。

図 4: 左:(a)、右(b)。何れも強度は$ I_1>I_2$である。
\includegraphics[width=6.70truecm,scale=1.1]{g1.eps} \includegraphics[width=6.70truecm,scale=1.1]{g2.eps}

5-1解答

散乱による偏光を考える場合、
  1. 偏光はThomson散乱による。
  2. 無偏光状態をincoherentな直線偏光の重ね合わせで表現する。
  3. 光は横波である。
  4. 散乱後はincoherentな重ね合わせであり、強さが卓越した成分方向の直線偏光が観測される。
を元に偏光を考える。これを元に散乱の様子を図示したのが次頁図である。

(a)の場合、散乱後はincoherentな強さの等しい成分の重ね合わせとなるので、偏光は観測されない。 一方(b)の場合は散乱後はincoherentな強さの違う成分の重ね合わせとなるので、卓越している成分、つまり$ I_1$が卓越する方向の直線偏光が観測される。 (a)はdipole、(b)はquadrupoleに対応している。

\includegraphics[height=4.5truecm,scale=1.1]{un.eps} \includegraphics[height=4.5truecm,scale=1.1]{li.eps}

\includegraphics[width=11.30truecm,scale=1.1]{p1.eps}



\includegraphics[width=11.30truecm,scale=1.1]{p2.eps}

著者: 茅根裕司 chinone_at_astr.tohoku.ac.jp