Subsections

5-4

3の結果から系を伝わる波の位相速度を求め、それが$ k\to 0$の極限で発散することを示せ。又この結果は光速度を越えるという意味で相対性理論の光速度不変の原理を破っているように見えるが、相対論と矛盾しないことを説明せよ。

5-4解答

定義より

$\displaystyle v_{{\rm phase}}=\frac{\omega}{k} = \sqrt{ \frac{\kappa h^2}{m} + \frac{g}{l} \frac{1}{k^2}}$ (24)

を得る。$ k\to 0$の極限では

$\displaystyle \lim_{k\to 0} v_{{\rm phase}}=\lim_{k\to 0}\frac{\omega}{k} = \sq...
...ac{g}{l} \frac{1}{k^2}} \,\,\,\propto\,\,\, \lim_{k\to 0}\frac{1}{k} \to \infty$ (25)

となり、無限大に発散する。

光速度不変の原理は、物理的な情報を伝達する最高速度が光速度$ c$であるということである。よって物理的な情報を伝えない位相速度が光速度を越えても相対論と矛盾しない。

著者: 茅根裕司 chinone_at_astr.tohoku.ac.jp