Subsections

5-3

この結果からRC回路がlow pass filterとしての働きを持つことが分かる。 何故か説明せよ。 又、カットされる周波数の下限値の典型的な値を求めよ。

5-3解答

物理的な解釈はテキストに譲る。

伝達関数 $ F(i\omega)$を考える。 伝達関数は

$\displaystyle F(i\omega) =\frac{V_\mathrm{out}(\omega)}{V_\mathrm{in}(\omega)}
$

で表される関数であり、その定義から出力が入力に対してどのような特性を持つかを知ることができる。 今、伝達関数を元に周波数特性を考えると、伝達関数の絶対値をとって

$\displaystyle \left\vert F(i \omega)\right\vert =\frac{1}{\sqrt{1+(\omega/\omega_c)^2 }}$ (27)

となる。以上を元に周波数特性をlogscaleグラフは下図のようになる。

図 8: RC回路の周波数特性
\includegraphics[width=14truecm,scale=1.1]{low_pass.eps}

グラフから分かるように、 低周波数域では値はほぼ1であるが、$ \omega_c$を境に値が急激に小さくなっているのが分かる。 これはつまりRC回路が低周波数域をよく通し、高周波数域を通しにくいlow pass filterとして働いているということを示している。 このときカットされる周波数の下限値の典型的な値は

$\displaystyle \omega_c=\frac{1}{RC} ;\quad f_c = \frac{\omega_c}{2\pi} = \frac{1}{2\pi RC}$ (28)

である。

著者: 茅根裕司 chinone_at_astr.tohoku.ac.jp