さてしばらくの間、原子は全て基底状態にあると考えて、
階電離原子の数密度
と
階電離原子の数密度
、
そして電子の数密度
の間の関係を求めることを考える。
これは
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(4) |
という化学反応が定温定圧の許で平衡状態にあるとして導くことができる。
化学反応が平衡状態にあるとき、
その化学ポテンシャルについて
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(5) |
が成り立つ。
ここで縮退していない(
の極限)非相対論的な自由(電子)粒子ガスの化学ポテンシャルは
![$\displaystyle \mu_e=m_ec^2 +kT \ln\left[\frac{N_e}{g_e} \left(\frac{h^2}{2\pi m_e kT}\right)^{3/2}\right]$](Saha-img23.png) |
(6) |
で与えられる。
同様にイオン気体については
![$\displaystyle \mu_r=m_rc^2 +kT \ln\left[\frac{N_r}{g_r} \left(\frac{h^2}{2\pi m...
...t[\frac{N_{r+1}}{g_{r+1}} \left(\frac{h^2}{2\pi m_{r+1} kT}\right)^{3/2}\right]$](Saha-img24.png) |
(7) |
で与えられるであろう。
(6)、(7) より
であり、
は
階電離原子の基底状態から
階電離原子の基底状態へイオン化ポテンシャルであり(エネルギーは
階電離原子の基底状態から測っている。
階電離原子は
階電離原子より
の分だけ高いエネルギー状態にある。)、
であるとすると、条件(5)から
となり
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(8) |
が導かれる。
また
や
を実際に計算すると
であるから
となる。
fat-cat
平成16年11月29日