以上より、
である。
に比例するVelocity Field (速度場)は、
と書け、に比例するRadiation Field (輻射場)は、
と書ける。
遅延時間に於ける速度で粒子が等速度運動した場合、
と書けることから、時刻に粒子の居る位置と観測者を結ぶベクトルは、
であり、速度場ベクトルと平行になる。
輻射場ベクトルは
であるから、ベクトル積の性質よりと直交している。
また、
より、粒子の速度ベクトル
が加速度ベクトル
とが作る平面内にあるとき、
輻射場は同一平面内電場成分を持つ直線偏光になる。
又、粒子が非相対論的な運動をしている場合
より、Radiation fieldはと
の面内に存在する。
輻射場がに比例することは次のような物理的な考察からも説明できる。
図 4:
Graphical demonstration of the acceleration field.Charged particale moving at uniform velocity in positive xdirection is stopped at and .
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図のように軸上を粒子が等速度で運動しており、
の瞬間の間にに停止、つまり減速運動したとする。
このとき粒子はほぼ原点で静止したとする。
図中点Pは、停止しなかった場合の粒子の位置である。
半径の球面外側では粒子が減速した情報は伝わっていないので、
電気力線は点Pを中心とした放射状に分布する。
一方半径
の球面内側では、粒子が減速した情報が伝わっているので、
電気力線は点Oを中心とした放射状に分布する。
この二つの球面に挟まれた球殻状の領域は減速が起きている間に生成された電場が存在する領域である。
- 系の対称性から、この領域内の電気力線は同一平面内に存在しなければならない
- 荷電粒子以外に電荷が存在しないことから、電気力線は連続
の条件より、電気力線の分布は図のようになる。
球殻内の電場の球面に沿った成分をとすると、これは輻射場である。
図の点線で示した様に、点Oを中心としたリング状の領域を考えると、
このリングを貫く電気力線は
であり、
電気力線の保存から、保存される
従って、
を得る。
著者: 茅根裕司 chinone_at_astr.tohoku.ac.jp