天文学専攻は、物理学教室の一講座として昭和9年に開設されました。その後二講座による学部と大学院からなる天文学教室時代を経て、平成6年の大学院重点化に伴い、天文学教室は宇宙地球物理学科(天文学コース)として学部一学年13名、天文学専攻としては博士課程前期が一学年9名、同後期が一学年4名の定員となっています。各教員(教授5名、准教授5名、助教2名、他任期付の研究スタッフ)の研究分野は天文学のさまざまな分野を幅広くカバーしており、学生・大学院生に対して天文学・宇宙物理学の総合的な教育・研究指導を行っています。
学部教育は、天文学の基礎として物理学を重視し、物理系学科の学生と共通の物理学の講義を受講させ、その上で天文学の教育を行なっています。 天文学コースとしての専門的教育は、講義を中心として更にセミナーの機会を利用し討論によって理解を深めたり、又実習や演習などを通じて観測・実験データに触れ、そこから自然現象の本質を読みとる訓練も重視しています。四年生次には学生が特定の教官の元でテーマを絞った小人数での実習を行っている。このような天文学の教育を通じて、自然科学全般にわたる広い視野と、柔軟性に富む科学的専門知識の修得を目指しています。
大学院では、天文学及び天体物理学の分野に専門的に従事する研究者の養成、あるいは天文学を応用する研究に携わる専門家を養成することを目指して、研究・教育を行なっています。相対的にバランスのとれたスタッフの専門分野の構成と、観測・実験・理論に分れる研究スタイルは、大学院学生の広い興味に十分対応できる物になっています。博士前期課程の学生に対する教育は授業とセミナーを中心に行なわれ、博士前期課程在学の二年間の間に天文学の基礎的事項をまんべんなく学習できるようにカリキュラムが編成されます。種々のセミナーでは、勉強や研究の成果を発表・討論し、議論の仕方・研究成果の提示方法についての訓練も行なわれています。
→ カリキュラムなどについて詳しくは「受験生向け」の「教育」ページを参照してください
理論的研究では、宇宙の大規模構造、銀河及び銀河団の生成・進化をはじめとして、恒星の構造その動的な振る舞い、特異天体や極限状態にある天体について、解析的アプローチから数値実験的研究まで幅広い理論研究を行なっている。 観測的研究では、国立天文台、宇宙科学研究所等の共同利用観測施設、更には諸外国の観測施設を利用してデータを取得し、詳細な解析処理を行なって、観測的な成果を上げている。その対象は、恒星、星間物質、活動銀河、銀河、銀河団等広範囲にわたっている。また独自の観測装置の開発も活発に行われており、世界的な成果を上げている。
→ 各メンバーの詳しい研究内容については「メンバー」のページを参照してください。
資質と意欲に富む優秀な人材が各人の責任において自由に研究活動を行なえる場を提供する事。