Computational Astrophysics Laboratory
計算宇宙物理学研究室

Astronomical Institute, Tohoku University Theoretical Astrophysics Group

計算宇宙物理学研究室について

この研究室では、主にコンピュータシミュレーションを用いた宇宙物理学の研究に取り組んでいます。物理学の他の分野と異なり、宇宙物理学では実験は不可能ですし、観測で得られる情報も限定的(3次元構造はわからない、時間発展は追えない、珍しい現象は起こるとは限らない)であるため、科学の根源的な要素である再現可能性や反証可能性を担保することが容易ではありません。そのためコンピュータシミュレーションが「数値実験」として実験の代わりとなり、他の分野より大きな役割を果たしています。

「スーパーコンピュータは理論の望遠鏡」と言われるように、数値シミュレーションには当然高性能なコンピュータが必要です。しかし、計算機だけではシミュレーションをすることはできません。シミュレーションを行うには、対象とする系に必要な物理を解くシミュレーションコード(ソフトウェア)が必要です。特に、独自性の高いシミュレーション研究を行うには、自身で新たなコードを開発する必要があります。この研究室では国際協力で開発している公開シミュレーションコードAthena++をはじめとして、シミュレーションコードの開発にも取り組んでいます。

現在の所、我々は星形成とその周辺分野(銀河、星間物質、分子雲、原始惑星系円盤、惑星形成)を主な研究テーマとしています。しかし、多くの天体現象で基本となる物理過程は共通していますし、異なる物理でも計算手法では応用が利くケースも非常に多いです。そのため、違う分野の研究も歓迎しますし、研究室に所属する学生や研究員には幅広い分野の知識や技術を学んでもらいたいと考えています。

天文学・宇宙物理学は観測によって駆動される学問であり、観測結果と理論モデルとの比較があってはじめて現象を理解することができます。自分は理論屋だから/シミュレーション屋だからと狭い世界に閉じこもるのではなく、観測的な研究にも視野を広く持つことが重要です。当研究室ではシミュレーション結果を基にして観測との比較を行う研究にも取り組んでいます。