4 Low Pass Filter

Eq.(6)より$ \delta$関数的パルス電圧をかけることは、 $ 0\sim\infty$までの全ての各周波数の電圧を、初期位相零で同じ強度でかけることと等価であることが分かる。 Eq.(6),Eq.(7)より全ての正の各周波数$ \omega$に対して、 $ \phi_{\rm out}>0$なので、 入力に対して出力の位相が遅れることになる。 $ \omega=0$では出力電圧の振幅は、 入力電圧と等しいが$ \omega>0$では、出力は入力より減少し、 その差は$ \omega$が大きくなるに従って大きくなる。 従って、RC回路は低周波は減衰無しに通すが、 高周波は減衰させる効果を持つことが分かる。 これはつまりRC回路が低い周波数を選択的に通すLow Pass Filterとして働いていることを示している。 カットオフが起きる周波数の目安は

$\displaystyle f_{\rm cut} = \frac{1}{2\pi\tau} = \frac{1}{2\pi RC}  {\rm [Hz]}$ (9)

である。

Low Pass Filterの効果を目に見える形で表すために、 伝達関数Eq.(8)を元に周波数特性を考える。 伝達関数の絶対値をとると

$\displaystyle \vert F(i\omega)\vert=\frac{1}{\sqrt{1+\left(\dfrac{\omega}{\omega_p}\right)^2}}$ (10)

となるが、これをグラフにすると図参の様になる。

図 3: RC回路に於ける周波数特性。横軸はLogscaleで書いてある。
\includegraphics[width=10.00truecm,scale=1.4]{LPF.eps}

確かに低周波数域をよく通し、 高周波数域を通しにくいlow pass filterとして働いていることが分かる。

fat-cat 平成17年2月17日