Teledyne打ち合わせメモ 本原+東谷

2009/8/26 10:00-15:00
参加者:本原、山田、東谷
Richard Blank (Program Manager)
Kadri Vural (Manager? : 検出器)
John Hays (Manager : 検出器周り一般,Export Comliance)
Mark Farris (Technical Staff : HAWAII2 expert)
Eric Piquette (Manager, Detector Materials)
Raphael Ricardo(ASIC専門)

●Agenda
 - TAO説明(本原)
- WISH説明(山田)
- 工場見学
- Teledyne 説明(Blank)
- Discussion
●H2RG最近の進展
年々製品の質は改善している
- ダークカレント、バッドピクセル率などは非常に減少
- 特に2008年の改善でYieldが向上し価格が一気に下がった(550K => 350K)
- リセットアノマリーもほとんどない。これはreference pixelがあるのが大きい?
- 残像もHAWAII2に比べて非常に小さい。80%までサチらせて直後の残存量は0.1%
   その後数回の空読みでほぼゼロになる
- 読み出し間のクロストークはRGになってなくなった。
- 検出器爆発問題は、ほぼ解決した。
  接着のエポキシだけでなく、MCT製造の際の残存応力が原因だった(?)
  製造時に、10回以上のサーマルサイクルをかけて破損しないかのチェックを行っている
  サイクル速度は「常温→液体窒素浸け→常温」で数分程度。
- マルチプレクサのベースプレートは2009年からSiCになっており、
  MUX(Si)との熱収縮率の相性がよくなっている
- 宇宙用にはH2RG-18が最もsafty、reliable、no-riskだろうとのこと。
- HAWAII-2RG および SIDECAR-ASICは、JWST (5.3um cut-off)/NIRC などでの使用のため、
  宇宙用品化(宇宙線、低温)と省電力化がすでに実現されている。
●カットオフ波長
- 標準品は 1.75um, 2.5um, 5.3umの3種類。
- カスタムであれば1.5-16umまで自由に作れる。
- ただし、カスタム品は高くなる。1個なら価格は2倍以上。
多数注文すれば(10個のオーダー)無視できるくらいになるが。
●ピクセルサイズ
H2RGでは10、18um。(15umは?)
H4RGでは10、15um。18umは今のところない。
カスタムサイズも追加料金で作れるが、新しいサイズのときは数回のエンジニアリング・サイクルが必要。
●SIDECAR ASIC
- 最新の読み出しノイズは~12e- rms (CDS), 16回マルチサンプルで4e-rms
 - HiCIAOでノイズが大きい問題があったが、グラウンドの取り回しなどに問題があったよう。
   Teledyneにノウハウがあるので、装置の設計段階から情報共有してほしいとの要請。
   宣伝文句である1% Volume、1%powerは本当。1%Hassleはうそ。very complex。ここ2年でだいぶ改良中。
- 読み出しは一般的に100kHzで行っている。300kHzくらいまでなら読み出し
ノイズを増やさずに早くできそう
- 500kHzくらいまではあげることが可能。ただし、ノイズが大きくなる。
- 標準のセットアップは
SIDECAR ASIC + JADE Card(USBインターフェース機能など) +ケーブルで
あとはユーザーが電源とPCを用意すればいい
- ソフトウェアはWindows XP, Vistaしか用意していない
- Linuxソフトウェアは
ESOはJADE Cardの代わりを自作しており、Linuxでドライブしている
Carnegie(Four Star)ではJade
Card用のLinuxドライバを開発。ただし、SIDECARのアセンブリコードはWindows経由でアップロードしている
- 消費電力は 2mW/Channel (@ 100kHz), 6mW/Channel(@ 500kHz)
  100kHzで4ch読みすると検出器1個あたり<15mW(〜11-12mW程度。10mWは厳しい。)
  100kHzで32ch読みすると検出器1個あたり150mW(マージン込)。
  例えば、4個のH2RGを4個のASICでそれぞれ4ch読みするときは〜60mW。
 消費電力はASICの駆動温度にも寄る。
 宇宙用の場合はさらに2倍程度のSafety marginが必要。
- 1個のASICで4個のH2RGを駆動する場合、GainやSpecialBiasを調整する必要がある。
- 使用温度は30K以上。それ以下ではfreeze out する。
- 内蔵バッファは2048x2048x2x24bitある(らしい)
- 内部演算も可能。なので、各ピクセル複数サンプルを行っての
マルチサンプルも可能。(500kHz/pixでこれをやれば、100kHzに比べて同じ時間で
ノイズを半分にできるのでは?)
●HAWAII-4RG
- 2009/10より開発が開始。
- 2010/末くらいに大体の見通しが立つ。それからコンソーシアム方式で進めたい。
- H2RG並みのLow-Readout Noise、Low-Darkにするにはさらに少し時間がかかる。
- TAO-NIRCAMのスケジュールにはマッチしなさそう。
- ピクセル単価を半分から1/3にしたい。(現在8cent/pix => 3-4cent/pix) but too many unknown...
- Richardからも、H2RGにして、18umピッチで光学設計したほうがいいだろうという提案。
- 1, 4, 16, 32, 64 outputs。
- 4-side Buttableである。最小間隔は2mm。
- 価格は$700K?今は見積もるのが難しい。宇宙用は地上用Science Grade+追加料金が必要。
- 消費電力はASIC何個で駆動するか、何channelで読みだすかで変わるが、H2RGを4つの場合と同じ電力で見積もってよい。
●価格、購入など
- Science Grade : 350K$
 - 8個まとめて、さらに今年中に契約できればSIDECAR込みで1.5-2M$にできるかも。
 - 宇宙用は地上用Science Grade+追加料金が必要。
 - WISH用にH2RGを40個納品も可能。ディスカウントはタイミングによる。
- いずれにしても、何個買うかなどをもう少し検討する、と返答。
- 価格リスト
- Science Grade : 350K$
          検出器全面で、バッドピクセル(低量子効率、高ダークカレント、高読み出しノイズ)領域が0.1%(?)以下
- Engineering Grade A : 250K$
検出器の1kx1k以上の領域で、ScienceGradeである
- Engineering Grade B : 150K$
検出器の1kx1k以下の領域で、ScienceGradeである
- Engineering Grade C : 50K$(SciGと同時購入)、75K$(単独)
ScienceGrade領域がない
- ROIC(Bare MUX) : 25K
- 日本の代理店は特にないらしい。
Teledyneとしては直接契約したいのだが…とのこと
岡山とやったときは共立トレーディング(柳沢情報)なので、一度きいてみるか。

●そのほか
- DRSとの協力関係は今でも続いている。
Si:SbをH2RG-MUXに搭載する可能性があるかも?
DRSのコンタクト先を教えてもらうことに。
- MIR用も同じASICが使える。Very fast readoutも可能。軍事関係やAO関係では使っている。
以上