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第1490回 天文学教室談話会

日時

2017年4月24日(月) 15:00

場所

合同C棟大輪講

講演者

小久保 充

題目

クェーサー降着円盤紫外可視域連続光放射の光度変動および偏光現象の研究

要旨


特に明るい活動銀河中心核(AGN)である"クェーサー"と呼ばれる天体で観測される静止系紫外可視域の連続光放射超過は、いわゆる標準降着円盤モデルで説明できるような超巨大ブラックホール降着円盤で生じる熱輻射であると考えられている。しかし実際のクェーサー観測スペクトルでは、円盤連続光成分に加えて、Broad Line Region起源の輝線/擬連続光や母銀河放射などのコンタミネーションが存在するため、観測スペクトルと降着円盤モデルスペクトルとの直接比較は不可能である。そこで我々は、コンタミネーションに埋もれたクェーサー降着円盤連続光の真のスペクトル形状を調べることができるツールとして、"光度変動"と"偏光"という2つの観測量に着目した。光度変動と偏光は、クェーサー降着円盤連続光放射特有の性質であるため、観測スペクトル中の変動スペクトル成分、および偏光スペクトル成分は、いずれも降着円盤連続光の真のスペクトル形状を反映すると考えられている(e.g., Pereyra et al. 2006; Kishimoto et al. 2004)。我々は、アーカイブデータや独自観測データの取得、解析を通じて多数のクェーサーの光度変動や偏光の統計的性質を明らかにし、光度変動および偏光の成因に対して観測的制限を与えると共に、クェーサー中心エンジンとしての(標準)降着円盤モデルの妥当性を検証することを目指した。本研究の結果として、(1) 変動成分のスペクトル形状は、標準円盤モデルでは説明できない、(2) 変動成分と偏光成分のスペクトル形状は、個々のクェーサーにおいて互いに一致しない、という2つの観測事実を明らかにした。この結果は、クェーサーにおける光度変動や偏光現象は、先行研究で考えられていたような単純な機構によって生じているわけではないことを示唆すると同時に、クェーサー降着円盤=標準円盤モデルという理想的な仮定の妥当性について再考する必要があることを意味している。

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【The Colloquium Committee in 2017】
Kenji Toma (toma<at>astr.tohoku.ac.jp)
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