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第1418回 天文学教室談話会

日時

2015年6月29日(月) 15:00

場所

合同C棟N507

講演者

新井 俊明(東北大学学際研)

題目

CIBER (Cosmic Infrared Background Experiment)を用いた宇宙赤外線背景放射の観測

要旨


宇宙赤外線背景放射(EBL: Extra-Galactic Background Light)は、太陽系や 銀河系の外に起源を持つ拡散光であり、近傍銀河のダークハロー内の浮遊性の光 (IHL: Intra-Halo Light)や、宇宙初期の天体を探る重要なプローブだと考え られている。ロケット実験CIBERによる最近の観測結果により、近赤外線域のEBL のスペ クトルや空間ゆらぎは、既知の銀河の積算値よりも1桁近く大きく、浮 遊星や初代天体など未知の天体による放射の寄与が疑われている。本発表で は、これまで にCIBERでの観測により得られた近赤外線EBLのスペクトルや空間 ゆらぎについて紹介する。  EBLを観測するためには、観測した「空の明るさ」から前景放射を差し引かな ければ成らない。黄道光は最も明るい前景放射であり、惑星間ダストにより散乱 された太陽光である。本研究では、COBE/DIRBEの観測結果を元にした黄道光モ デルの空間分布の情報を用いて黄道光の成分を分離した。銀河内の拡散光は星間 ダストにより散乱された星の光であり、その空間分布はIRASやCOBEの観測を元 に制作された100umダストマップとよく相関することが知られている。本研究で は、この相関関係を用いて銀河内の拡散光のスペクトルを分離することに成功 した。これらの前景放射の近赤外線域におけるスペクトルはCIBERにより初めて 観測された。前景放射のスペクトルはEBLの観測に重要なだけでなく、惑星間ダ ストや星間ダストを理解する上でも重要である。本発表では、これら前景放射 の観測結果と、それによって得られたダストの情報について紹介する。  また、私たちは次世代のEBL観測用のロケット実験CIBER-2の開発を進めてい る。CIBER-2 の望遠鏡は、使用予定のロケットに搭載可能な最大サイズである口 径 28.5cm のリッチー・クレアン式のカセグレン望遠鏡である。CIBER より大 きな望遠鏡を搭載することにより、より暗い点源 (> 24 AB-mag) まで除去した うえでEBLの観測を行う。望遠鏡全体を液体窒素冷却することから、熱収縮に よるひずみを最小に抑えるため、全てアルミニウムを用いて制作する。EBLの 観測に重要な波長 0.5-2.0 μm における広視野撮像装置を搭載し、ビームスプ リッタを用いて3つの光学系モジュールが視野を共有する。この光学系モジュールと 測光フィルタとを組み合わせることで、一挙に 6バンドでの宇宙 赤外線背景放射のゆらぎ観測が可能であることに加え、視野の一部に LVF フィ ルタ (Linear Variable Filter) を追加することで、宇宙赤外線背景放射のスぺクトル 観測も行うことができる。本発表で、CIBER-2で目指しているサイエンスや装置開発の現状を発表する。

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【The Colloquium Committee in 2015】
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Yurina Mizuno
Kohei Miyazawa
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