現在の位置 : TOPページ談話会案内2013年度 > 第1357回 天文学教室談話会

第1357回 天文学教室談話会

日時

2013年4月22日(月) 15:00

場所

大輪講室

講演者

服部 公平(東京大学 天文学教育研究センター )

題目

星の化学組成をどこまで信じるべきか?--近傍ハロー星を使った metal accretion 仮説の検証--

要旨

階層的銀河形成シナリオにおいて、銀河系は矮小銀河のような小さな系の集合・合体 によって形成され、成長したと考えられている。 銀河系ハローは、こうした銀河系の形成史を解明する上で貴重な情報源である。 これまで、ハロー星の観測結果は、以下の2つの仮定をおいて解釈され、銀河系形成 史と関連付けられてきた:
(1)ハロー星の軌道運動は、ハロー星が誕生した母体矮小銀河の軌道運動を反映し ている。
(2)ハロー星の表面化学組成は、母体矮小銀河に含まれるガスがその星を形成した 時点でもっていた化学組成を反映している。
このうち、(1)については、古典力学・数値実験の両面から妥当性が確認されてい る。 ところが、(2)については、これまで十分に妥当性が検証されてこなかった。 一方、金属降着現象(Yoshii 1981)が生じると、(2)が成り立たなくなることが理 論的に指摘されている。 例えば、金属量の少ない星と金属量の多いガス雲が衝突し、星の表面にガスが吸着す ると、星の金属量が見かけ上大きく観測されてしまう。 もし金属降着現象が生じると、太陽近傍ハローの観測対象として頻繁に用いられるG, K型の「軽い主系列星」に対して強い影響が出ることが予想されている。
そこで我々は、金属降着現象の影響の強さがどの程度であるのかを観測的に調べる手 法を考案し、実際にSDSSのサンプルを用いて検証を行った。 その結果、太陽近傍のハロー星のうち、G型主系列星は典型的には0.6dex程度、K型主 系列星では0.4dex程度、それぞれ金属量が多く見積もられているという結果が得られ た。
講演では、我々の手法・解析結果を紹介し、この結果がもたらす影響(特に「第一世 代星の形成理論」への影響)について議論する。 また、この結果を次世代望遠鏡でさらに精密に検証する計画を紹介する。

ご注意

  • 今後の予定は、都合により、やむを得ず変更される場合がございます。その場合には、このページおよび掲示にておしらせいたしますが、変更の反映まで時間がかかる場合がございます。ご了承ください。
  • 談話会についてのご相談、またはこのPageに関するご意見・ご質問等は下記連絡先までお願いします。
  • 当談話会ではいつでも講演者を募集しております。その際には発表タイトル、連絡先を、二週間前までにお送りくださいますようお願いいたします。

【The Colloquium Committee in 2013】
Shijun Yoshida (yoshida<at>astr.tohoku.ac.jp)
Takahiro Masuda (takahiro.masuda<at>astr.tohoku.ac.jp)
Mihoko Kato (m.kato<at>astr.tohoku.ac.jp)
   <at>-->@

All Rights Reserved. Copyright (c) 2011 Tohoku University Astronomical Institute .