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第1281回 天文学教室談話会

日時

2010年2月15日(月) 16:20 pm

場所

物理B棟319号室

講演者

高遠徳尚 (国立天文台ハワイ観測所)

題目

カイパーベルト天体の氷はなぜ結晶質なのか?

要旨

カイパーベルト天体は太陽系外延部に存在する小天体である。その軌道や表面組成から太陽系形成初期の力学進化、温度情報を得る努力がなされている。本講演では、Haumeaとその衛星Hiiakaを例に、表面に存在する水氷の状態を中心に過去に起こったイベントと現在起こっているプロセスについて議論する。 Haumea/Hiiakaの表面は殆ど純粋な水氷で覆われている。このことは過去に他の天体と巨大衝突を起こしたことを示唆している。実際Haumeaはカイパーベルト天体で唯一同定されている小惑星ファミリーの一員である。問題はHaumea、Hiiaka 両天体の表面の氷が未だに結晶質なことである。天体表面は絶えず高エネルギー粒子やUV光に晒されており、たとえ結晶質氷が存在しても短時間(<太陽系年齢)でアモルファス化してしまうといわれている。そのため現在でも存続している何らかの加熱機構(地質活動など)も検討されているが、アモルファス化のプロセス自体も未解明な点が多い。 我々は未だ良く理解されていないUV光による氷のアモルファス化について、室内実験を行った。その結果、アモルファス化は極めて短時間で起こるが、そのタイムスケールは氷の温度に強く依存することがわかった。カイパーベルト天体にこの実験結果を適用すると、太陽UV光により10万年程度の極めて短時間で、表面から1mm程度の深さまでアモルファス化することがわかった。したがって、天体表面は10万年程度よりも新しいといえる。天体表面を更新するプロセスは未だ謎である。

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